日本の決断

シンガポールの社会学者であるLam Peng-Erさんが「日本の国家はリベラルだが、日本社会はリベラルではない」と書いている。
At the Margin of a Liberal-Democratic State: Ethnic Minorities in Japan, in Will Kymlicka & Baogang He eds, Multiculturalism in Asia, Oxford University Press, 2005)
要するに、制度として自由民主主義は存在しているが、国民の意識はそうではないということ。
その傍証として、Peng-Erさんは日本社会には二大政党制が定着していないという点を指摘している。
しかし、同時にPeng-Erさんはイタリア、スウェーデン、メキシコ、インド、台湾と同様に、日本もいつか一党支配体制が終わって、二大政党制に移行するだろうと予測している。
 
私の理解では、リベラルな社会というのは、異なった人たちが等しく尊重される社会である。
日本社会がリベラルな社会に成熟するには、Peng-Erさんも指摘しているとおり、同質性神話と集団主義を打破する必要があり、そのためにはこの社会に誤って刷り込まれた「入れ子状のお上意識」、要するに他人をつねに上下関係で量ろうとする社会意識を打破することがもっとも重要であると思っている。
そして、そういう取り組みは一人ひとりが自分の持ち場で少しずつ進めていく以外にはない。
私にとって、「子どもの権利活動」は、そのためのものです。
 
面白い時代になってきました。
 
 

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